カリフォルニアでのサーフィンや、ロードトリップを計画している人にとって、最大の関心事は「どのウェットスーツを持っていけばいいのか?」ということではないでしょうか。
カリフォルニアの海岸線は南北に長く、サンディエゴの温暖な海からサンフランシスコ周辺の冷涼な海まで、水温や気候が大きく異なります。
ここでは、季節ごとのウェットスーツ選びと、カリフォルニアのサーファーたちのウェットスーツ事情について紹介します。
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Toggleカリフォルニアの海は意外と「冷たい...」
椰子の木や美しいビーチのイメージがあるカリフォルニアですが、実は海水は暖かくありません。メキシコに近いサンディエゴでも寒流の影響で年間を通してウェットスーツが必須。セントラルコーストを越えてサンフランシスコに近づくにつれ、水温はさらに下がります。
季節別ウェットスーツガイド
夏(6月〜8月)

夏は地域差が最も顕著に現れる季節。南カリフォルニア(サンディエゴ〜ロサンゼルス)では水温が上がり、ロングジョンやスプリングスーツで入れる日も増えます。真夏にはボードショーツやビキニでサーフィンしている人も見かけます。
一方、サンフランシスコ周辺は夏でも水温が低く、霧が発生しやすいため、2/3または4/3mmのフルスーツが必要。時間帯によっては1〜2mmのロンジョン(袖なしのロングジョンタイプ)、またはタッパー(ジャケット型ウェットスーツ)とボードショーツ、という軽装で入れる日もありますが、特に北カリフォルニアでは油断は禁物です。
秋(9月〜11月):サーファーにとってのベストシーズン

秋はカリフォルニアのサーフィンのベストシーズン。水温は夏の余熱があり、気温も穏やかで風も安定しているため、3/2mmのフルスーツやシーガルが快適。サーフスポットも比較的空いていて、波のコンディションも安定している日が増え、多くのローカルサーファーにとって最も好きな季節です。
サンディエゴではThanksgivingの季節(11月末)でも、ファミリーがビーチで日光浴をして夏のような雰囲気です。しかし、海水は冷たいので要注意。一方、北カリフォルニアでは10月後半から冷え込む日もあるため、4/3mm&ブーツを準備しておくと安心です。
冬(12月〜2月):ビッグスウェルと本格的な寒さ

冬は地域によって装備が大きく変わります。気温が下がり5Cぐらいになると、車の外の着替えも寒くなる季節です。サンディエゴでは4/3mmのフルスーツに薄手のブーツで過ごせる日が多いですが、北カリフォルニアでは5/4mmや6/5/4mmのフード付きスーツに、グローブと厚手のブーツが必要です。
特にサンタクルーズやサンフランシスコでは水温が10℃前後になるため、防寒対策は万全に。
春(3月〜5月):水が冷たい忍耐の季節

春のカリフォルニアは、陸は暖かくなってきますが、海水はまだ冬の冷たさを引きずっています。サンディエゴでも3/2mmでは寒く感じる日が多く、4/3mmのフルスーツが一般的。
朝晩は風が冷たく、特に北カリフォルニアではフードやブーツを使うサーファーもいます。
ジューングルーム(June Gloom)|霧(Fog・フォグ)

カリフォルニアでは5〜6月頃、朝から昼にかけて沿岸部に霧(Fog・フォグ)がかかる「ジューン・グルーム(June Gloom)」と呼ばれる現象がよく見られます。これは冷たい海流(カリフォルニア寒流)と内陸の暖気の温度差によって発生するもので、特にサンフランシスコ〜ロサンゼルス周辺は見られます。
ベイエリアの内陸からハーフムーンベイやサンフランシスコへドライブすると、晴れていたのに急に霧が出てくることもよくありました。
この霧は日中には晴れることが多いものの、朝の海はどんよりとして、気温も上がりにくいため、サマーシーズンでもフルスーツが必要になることがあります。サンディエゴなど比較的南の地域でも、朝は3/2mmのフルスーツがちょうど良いと感じる日もあります。
シチュエーション別ウェットスーツの選び方
ショートとロングボードでのウェット違い

日本だと、冬は海水も気温も両方低くなるのが一般的ですが、カリフォルニアでは冬でも昼間の気温が上がることが多々あり、ロングボードであれば、比較的軽装でも過ごせる日があります。実際、冬の昼間にロンジョンでサーフィンしている人も見かけます。
ただしショートボードの場合は、海水に浸かっている時間や比率が高くなるため、同じ条件でもより保温性の高い厚手のウェットスーツが必要になります。
セッションの時間
1時間以内の短時間サーフィンと、2時間以上のロングセッションでは、必要なウェットの厚みが変わります。長く入るほど、冷えを防ぐために厚手のスーツが必要になります。
素材と着脱方式の違い
ウェットスーツの素材
- ラバータイプ→寒さに強い人向け(防風性◎、保温性◯、乾きやすい◎)
見た目がツルっとしていて、表面がゴムっぽいのがラバータイプ(スキン素材とも言います)。風を通しにくく、防風性に優れているため、寒風の強い日でも体温をキープしやすいのが大きな特徴。 - ジャージタイプ(保温性△、動きやすく丈夫)
- 起毛タイプ→寒さに弱い人向け(保温性◎、乾きやすい△、肌触り快適)
着た瞬間から暖かく、体温を効率よくキープしてくれます。
※難点は乾きにくい点。乾燥にはやや時間がかかるので、すすいただ後にタオルで拭き取ると早く乾きます。近年は素材も進化していますが、2〜3着をローテーションで使うと快適。
💡 ウェットスーツを乾かす時のコツ|タオルで拭き取る方法
冬場、ウェットが乾きずらい時や次の日にすぐに使う際の一手間
着脱方式

- バックジップ:着脱しやすいが水が入りやすい
- チェストジップ:水の侵入が少ないが脱ぎにくい(アメリカで3/4mm以上になると、このタイプが主流)
- ジップフリー:サーフィン中は快適ですが、脱ぎ着はさらに大変。
- ロングチェストジップ:着脱も楽で動きやすい(日本でこのタイプが人気で主流)
カリフォルニアのウェットスーツ市場|3つのトレンド & 購入のコツ

アメリカのウェットスーツ事情。現地では以下の3つの流れがあります。
① ハイテク素材へのこだわり
Xcel、O’Neill、Rip Curlといった大手ブランドは、いかに「軽く、早く乾き、伸びるか」という技術競争の最前線にいます。特に冷たい北カリフォルニアの海では、TechnoButter(O’Neill)のような吸水率の低い素材が、体の冷えを防ぐために重宝されています。
② サステナビリティ(環境意識)の高さ
カリフォルニアのサーファーの間で非常に支持が高いのが、エコフレンドリーな動きです。
Patagoniaは石油由来のネオプレンを使わず、天然ゴム(Yulex®)を使用したスーツを、Billabongはリサイクル素材や水性接着剤を採用したサステナビリティなウェットスーツなどを展開しています。現地の若いサーファー層にも人気があります。
③ 「山本ゴム」とローカルブランドの台頭
最近のトレンドとして面白いのが、日本製の高品質な「山本ゴム」を指定して作るブランドの人気です。Feral WetsuitやFlorence Marine Xなどは、過度なマーケティングをせず、素材の良さとカッティングの美しさで勝負しており、コアなサーファーから絶大な信頼を得ています。
カリフォルニアでのウェットの購入のコツ
現地でウェットスーツを購入する場合、価格とタイミングを意識するだけで選択肢が大きく広がります。
まず狙いたいのが、バーゲン時期。
アメリカでは11月末に「ブラックフライデー(Black Friday)」があり、この時期はウェットスーツメーカーやサーフショップでもセールが行われることが多く、ハイエンドモデルが割引価格で出ることもあります。
一方で注意したいのがサイズ感。
アメリカ仕様のウェットは、日本向けモデルと比べて肩や腕が長めに作られていることが多く、同じサイズ表記でも着用感が異なります。特に真冬用のフルスーツは、可能であれば試着してから選ぶのが安心です。
日本製ウェットスーツのメリット|ロングチェストジップ

個人的には、冬用の3/4mm以上の厚手のものはウェットスーツはアメリカのウェットより、日本のウェットスーツの方がおすすめです。
日本ウェットがおすすめな理由:
- 3/4mm以上の日本でウェットスーツの主流はロングチェストジップは、水が入りにくく、着脱が楽。(アメリカではチェストジップが主流)
- 日本のウェットスーツは、日本人の体格に合っている
- 2026年現在、円安の影響で、海外のウェットが割高
- 日本はフルオーダーあり。アメリカほぼなし。
おすすめウェットスーツ&ブーツ
(真冬向け)Xcel ドライロック|起毛タイプで寒がりにフィット
これまでにO’Neill(オニール)、Feral(フェラル)、Matuse(マティウス)、ROXY(ロキシー)などを試し、最終的に落ち着いたのが Xcel(エクセル)の Drylock(ドライロック)シリーズ。3/4mmをリピートしています。最近は、CompやInfinitiシリーズのラインナップも充実してきたので、試してみたいです。
寒さに弱い人には、FeralやMatuseのラバー(スキン)素材よりも、Xcelの起毛タイプの方がより快適です。保温性に優れており、着た瞬間から暖かいのが特徴。
ブーツもDrylockシリーズ(5mm)を3年ほど使用していましたが、快適でした。
(真冬向け)Fellow|日本ブランドならではの着心地とコスパ
日本帰省中にオンラインで購入した Fellowの5/4/3mmロングチェストジップスーツ。着心地が非常に良く、日本製ウェットのクオリティの高さを実感しました。こちらも起毛タイプで、保温性は抜群。
私の購入したウェットとブーツ。
真冬のサーフィンでも使える、価格と性能のバランスが取れた一着。カリフォルニアの冬の早朝も寒くない!首が長めのカットでカバー力も抜群。ブーツも履きやすく、全体的に厚みがあって暖かく心地いいです。
実際、3月のカリフォルニアのセントラルコーストでこのウェットを着用しましたが、2時間余裕で寒さを感じませんでした。この時のサーフトリップの記事はこちら。
【あわせて読みたい】セントラルコースト・サーフガイド|モロベイ、ピズモ、カユコスを巡る旅
今後、日本国内で販売されているBillabongなどの製品は、アメリカ版とは異なる日本独自の規格のため試してみたいです。また、滞在が長期になる場合には、オーダーメイドも視野に入れています。
Seea|女性向けの可愛いデザインのロングジョン
Seea(シーア)は、南カリフォルニア発の女性サーファーによる女性のためのサーフブランド。レトロでフェミニンなデザインと、動きやすさ・快適さを両立したウェットスーツや水着が特徴です。
環境への配慮にも力を入れており、天然ゴムのYulex素材を使ったアイテムも多数ラインナップ。スタイルとサステナビリティを大切にするサーファーに人気です。
Sydney 2mm Yulex Long Jane(シドニー 2mm ユーレックス ロングジェーン)

このロングジョンは、肩まわりの動きがスムーズで、パドリングも快適。春から秋の温暖なシーズンにちょうどいい2mm厚で、片側の肩が外れる仕様のため脱着も容易です。

夏場は、このウェットの上にラッシュガードを合わせて着ると、日焼け対策になりつつ、腕は自由に動かせて、下半身はウェットでしっかり保温という、まさに完璧な組み合わせになります。
Seeaは環境にも配慮していて、パタゴニアが開発した木々から採取される天然ゴム素材のYulex(ユーレックス)を使用しているのもサーファーに選べる理由です。
Seeaは、水着やサーフスーツ、小物なども可愛くて人気です。
Seeaのブランド背景をもっと知りたい方へ
なぜSeeaがこれほどまでに世界中の女性サーファーを虜にするのか?そのユニークなデザイン哲学や、ブランドが大切にしている「リアルな美しさ」についてはこちらの記事をどうぞ。
👉 Seea・シーア|サーフィン女子にぴったり!カリフォルニア発の水着ブランド
便利グッズ:持っててよかった!
サーフポンチョ
着替え用としてはもちろん、防寒アイテムとしても活躍。
羽織ってビーチでのんびり過ごしている人もいて、カリフォルニアでは定番の存在です。
着替え用チェンジマット or バケツ
駐車場やビーチで着替える際に欠かせないのが、チェンジマット、もしくは浅めのバケツ。
旅行者なら→チェンジマット
チェンジマットを広げてウェットを脱ぎ、そのまま紐を引いてまとめるだけ。
コンパクトにたためるので、移動が多い旅行者には扱いやすく、収納もしやすいのが魅力です。
在住者なら→バケツ
私はIKEAの水色のランドリー用バケツを使っています。
ウェットを着たままバケツの中で脱げるため汚れにくく、そのまま車内へ。帰宅後は庭で真水ですすいで吊るすだけ、この一連の流れがとても便利です。
まとめ:冷たいカリフォルニアの海を楽しむために

カリフォルニアの海は、見た目以上にタフで冷たいのが現実です。ロードトリップや滞在を計画しているなら、以下の3点を意識してみてください。
迷ったら「厚め」をチョイス: 北カリフォルニアは、朝晩やジューングルームの影響でかなり冷えます。4/3mmを1着持っておくのが安心のスタンダードです。
冬や北部は「日本クオリティ」を: 寒さが厳しい時期や場所では、着脱が楽で浸水の少ない日本のロングチェストジップが最強。円安の今、日本で新調して持っていくのが賢い選択かもしれません。
現地スタイルを楽しむ: 完璧な装備も大切ですが、現地のサーフショップでディスカウントされているものや、環境に優しい素材を試して、カリフォルニアならではのサーフカルチャーもぜひ一緒に体験してください。
道具の準備が整えば、あとは最高のスウェルを待つだけ。皆さんのカリフォルニア・サーフトリップが、素晴らしい波との出会いで溢れますように!🌴




